山口県を拠点に、エネルギー事業を軸として多角的な展開を続ける総合商社、富士商株式会社。地域密着型の老舗企業として歩まれてきた同社ですが、数年前に導入したSalesforceについては、「約2年間、活用が停滞してしまっていた時期があった」と当時を振り返ります。
いかにしてその期間を脱し、2年連続の過去最高益、そして新規獲得数6〜7倍という驚異的な成果を叩き出したのか。営業本部 本部長の徳永様と、社内管理者として内製化を牽引する井浦様に、その軌跡を詳しく伺いました。
導入前の課題:明確なビジョンなき「空白の2年間」
徳永様(富士商様)
「正直にお話しすると、Salesforceを導入してからの約2年間は、単なる『スケジュール帳』として停滞していました。コロナ禍でメンバーが会えない中、営業をどう管理していくかが課題で導入したのですが、当時は明確な運用ルールが不足していたんです。ダッシュボードもイメージしていた形にはならず、入力頻度も低い状態。構築はベンダーにお任せで、自分たちでやるという認識も低かった。意思疎通がうまくいかないまま、契約期間が終わってしまったんです。そんな中、Salesforce社の担当者を通じて紹介されたのがViVOでした。」
徳永様
「今の課題を相談した際、PMの窪田さんの提案内容に強く共感したんです。『もう一度、システム活用に挑戦してみよう』。そう決心させてくれる納得感がありました」
窪田(ViVO)
「富士商様のように活用しきれずに困っているお客様は本当に多いんです。我々もSalesforce社と『再活性化を支援しよう』と話をしていたタイミングだったので、ぜひお力になりたいと感じました」
支援のプロセス:前提を捨てた「個別ヒアリング」が組織を可視化する
プロジェクトの再始動にあたり、ViVOが最初に行ったのはシステムの設定変更ではなく、全営業担当者への個別ヒアリングでした。
窪田(ViVO)
「Salesforceの前提を一度横に置いて、『皆さんが本当に求めていることは何か』『具体的な仕事の内容は何か』を徹底的に調査しました。そこで浮き彫りになったのは、担当者ごとの営業スキルの差異や、ヒアリング内容のバラつき。そして、既存顧客の対応に追われて新規開拓に手が回っていないという実態でした」
徳永様
「それはマネジメント側も薄々感じていた課題でしたね。そこをViVOさんがきめ細やかにシステムに落とし込んでくれた。商材の種類に合わせてヒアリング項目が自動で切り替わる仕組みを導入したことで、属人的だった営業スタイルが標準化され、組織全体の底上げに繋がりました」
劇的な成果:部署利益1.5倍、新規獲得数は「6〜7倍」へ
再起動後の成果は、目に見える数字となって現れたと語っていただきました。
徳永様
「実績として、商談件数や契約件数が明らかに上がりました。利益にも直結していて、」
徳永様
「特に大きかったのは、ダッシュボードを基準としたマネジメントへの変革です。1対1の面談やチーム会議をダッシュボード中心に行うように徹底しました。さらに、60日間接触のない案件にアラートが出る仕組みを構築し、そこに対して直接指導を行う。これで、クロージングまで持っていけない商談が目に見えて減りました。新規顧客の獲得数は、以前と比べて年間6〜7倍という大幅な増加を記録しています」
定着の極意:人事評価との連動と「仕組みの先行投資」
システムの定着には、厳しい運用ルールも厭わなかったと徳永様は語ります。
徳永様
「Salesforceのデータが人事評価に直結する仕組みを導入しました。」
徳永様
「これまでは評価の時にしか数字を見ない『結果論の評価』になりがちでしたが、今はリアルタイムで進捗がわかる。マネージャー陣も『部下の評価を良くすることが自身の評価に繋がる』という認識で指導にあたっています」
窪田(ViVO)
「カルチャーを変えるような大変革ですが、現場の皆さんの反応はいかがでしたか?」
徳永様
「新しい若いメンバーが増えていた時期だったのも幸いしましたね。彼らにとっては最初からシステム入力が当たり前のルール。抵抗はありませんでした」
窪田(ViVO)
「人が増える前に仕組み化する。まさにそこが重要ですね。人が少ないうちに基準化しておくことが、組織拡大の鍵になります」
井浦様(富士商様)
「今では現場でも、それが当たり前の基準値になっていますね」
内製化支援:外部依存からの脱却と「自走」する喜び
今回のプロジェクトのもう一つの大きな柱が、社内でのシステム運用を可能にする「内製化支援」です。
井浦様
「最初は独学では全く分からず不安でしたが、川上さん(ViVOエンジニア)が学習支援の道を作ってくださいました。学習教材『Trailhead』を使って効率的に導いていただいたおかげで、実際のSalesforceを少しずつ触れるようになっていきました」
川上(ViVO)
「井浦さん自身のやる気が非常に高く、キャッチアップも早かったので、ご支援していて本当に楽しかったです!」
井浦様
「簡単なことなら自分で即座に修正できるので、タスクが溜まらなくなりました。状況がすぐに改善されるのは、本当に助かっています」
徳永様
「社内で時間分析データを抽出するなど、小規模なカスタマイズを継続的に行えるようになりました。現場の課題に対して迅速かつ柔軟に対応できる、この機動力こそが大きな収穫です」
未来への展望:テクノロジーを「生産性」という生存戦略に
植野(ViVO)
「今後の展望やAIへの期待についてはいかがでしょうか?」
徳永様
「地方の企業として少子高齢化、学生の減少は避けられない課題です。これまで10人でやっていたことを3人でやる。そのためにコストをかけてでも生産性を上げていかなければならない。ViVOさんには、最新のテクノロジーがどう自社に影響し、組織や営業スタイルをどう変えていくべきか、これからも提案を期待しています」
窪田(ViVO)
「私たちの仕事はシステム納品ではなく、継続的な事業成長のサポートです。継続的に成果を高めるなら、パートナーは内製化のサポートまでして然るべきだと考えています。今後、AI領域や全社的な取り組みの際も、同じスタンスで伴走させていただきます」
導入検討企業へのメッセージ
徳永様
「2年間の失敗を経て感じたのは、システムはあくまで『手段』だということです。定着化自体を目的にしてはいけない。マネージャーが何をしたいのか、どう組織を変えたいのか、そのビジョンを持つことが一番大事です。最初の失敗は、システム構築を部下に任せきりにしてしまい、私の想いが伝わっていなかった。社内での意思統一と、目的の明確化。それさえあれば、Salesforceは強力な武器になります。ViVOさんは私たちのやりたいことを深く理解し、整理して実現してくれました。お願いして本当に良かったです」
井浦様
「ヒアリングの時からしっかりとこちらの状況を理解し、一緒に考えていただけたことが、イメージ通りの構築に繋がったと思っています。ありがとうございました」
「そもそもなぜ導入したのか」という原点に立ち返り、泥臭いヒアリングの積み重ねと、経営判断としての評価制度連動。富士商様の成功は、その強い覚悟があったからこそ手繰り寄せられたものです。内製化という翼を得た富士商様が、AIという次なるテクノロジーを味方にさらなる飛躍を遂げられる日を、私たちも心より楽しみにしています。
ViVOは、単なるシステムの構築・実装にとどまりません。経営層が抱くビジョンや意図を丁寧に紐解き、設計から開発、そして運用の定着までを一気通貫で伴走いたします。Salesforceを単なる「営業管理ツール」で終わらせるのではなく、企業の成長を支える「経営基盤」へと昇華させたいとお考えの企業様は、ぜひ一度ViVOまでご相談ください。